こんにちは、福井県内水面漁連の中野です。
7月下旬から、アユの”出身地調査“をしています。

アユには、海から上がってきた天然アユ、天然魚を親として生産した人工産アユ、琵琶湖で捕獲したアユ の大きく3つの異なる出身地(ルーツ)があります。
全国の河川で様々なルーツのアユが放流される中、どのルーツのアユが釣られているのかを調べる重要性も増しています。
どこで生まれたアユか調べることを「アユ由来判別調査」といいます。

由来判別の手法として「側線上方横列鱗数」および「下顎側線孔数」を数えています。
側線上方横列鱗数とは、側線より上部(背中側)に並んでいる鱗(うろこ)の数で、下顎側線孔は下顎(あご)にある穴(感覚器官)のことを指します。
これらの数が、アユの由来ごとに少し異なっており、この特徴を由来判別に役立てるのです。

鱗を数える際には、メチレンブルーという青色の染色液で観察する部位を染色することで、ハッキリと見ることができます。

鱗の鱗は、琵琶湖産のものは細かく数が多い一方、人工生産したものは枚数が少ない傾向があります。天然のものはその中間くらいです。
側線孔は人工産のものでは、左右で数にバラツキがあります。

アユの由来判別を実施することで、友釣りでよく釣れるアユの出身地やその時期的な変化が分かり、放流効果の把握や向上に役立てることができます。
長時間顕微鏡をのぞき、鱗を数えていく作業は大変ですが、アユ資源の上手な利用につながる大切な業務ですので、これからも頑張ります。

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